沼田青年会議所主催の演劇、「夢への架け橋」公演まであと4日。

とにかく、これ以上インフルエンザが広まらないように。

ただ、ひたすらそう祈る。

市内で学校閉鎖や学級閉鎖が出たら、場合によっては緊急延期も止むを得ない。

出演者の子供たち、手洗いうがいをサボるなよ。

修学旅行に出ている子もいる。気が気でない。


4月から半年間の稽古を続けてきた。

毎週木曜日6時から9時まで。

仕事を抜けてくる大人も偉いが、塾や遊びもそこそこにしっかり台詞を憶えて練習にくる子供たちはもっと偉い。


稽古し始めの頃、応募してきた24名の子供たちが一斉にワアワアと喚き、走り回る稽古場で唖然としつつ、小学校の先生は大変だなぁ、と心底思ったりもしたが、半年もの間、毎週毎週練習して、夏休みともなれば1日中一緒にいると、演技の出来不出来は別としてひとりひとりに思いが沸く。

君たちに最高の舞台を用意したい。

そのために僕ら大人たちは少々とは言えないくらいの時間と手間をかけてきた。

青年会議所の担当メンバー以外にも沢山の地域の方々が協力して下さった。


超多忙の中、時間を捻出して演出から演技指導までこなした黒田さん。

演技とは?役者とは?を演技指導の中で熱く伝えて下さった林さん。

ダンスの須田先生や、歌の星先生、久保先生の存在も大きい。

それから、この作品づくりに欠かせない永井さん。


本作は昭和11年から戦争に向かっていく中での小学生を描いた作品である。

当時を懐かしく語る語り部として、今年90歳になる永井さんが出演される。

永井さんは当時、海軍として戦争に行った。

戦争は人を人でなくする。こんな過ちは二度と繰り返してはいけない。

そんな思いで、毎回、ご自身で車を運転し練習に参加される。


劇団「夢への架け橋」は色んなものに橋を架ける。

子供たちを森へ、戦争のない平和の世界へ。

永井さんのような実際に戦争に従事された方々と、これからの世界に生きる子供たちとの間にも橋が架かる。

子供たちと永井さんが稽古中に親しく話す機会は少ない。

でも、子供たちの記憶には毎週の稽古の中に永井さんがいたこと。

何度か戦争の話を聞かせてくれたこと。

その時に、普段は見せないような迫力で語りかけてくれたこと。

そういう記憶は大人になっても残るだろう。

それはきっと何かを起こす。そういう子供の時の記憶の集積は何事かを必ず起こす。


高田敏子の詩「忘れもの」、宮沢賢治の歌「星めぐりの歌」もいい。

「忘れもの」はいつかの夏休みの記憶を呼びさます。

「星めぐり」は練習の成果か、最近稽古中、油断して聞くと涙腺が緩む。

子供の声って凄い。


いつかの夏、過ぎ去った夏の後姿に大声で叫びたい。

「だがキミ!夏休みよ もう一度 もどってこないかな」


時間が許す方、是非お越し下さい。

もちろん入場無料。


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日時:平成21年10月4日(日)


開場:13:45 開演:14:30

会場:利根沼田文化会館 大ホール

主催:(社)沼田青年会議所